今日は日本の片隅で

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2020年度の総合旅行業務取扱管理者試験(科目免除なし)に一発合格したので勉強法を公開します

f:id:tidus_tabilog:20201101185930j:plain 2020年11月20日に2020年度の総合旅行業務取扱管理者試験の合格発表が行われました。

総合旅行業務取扱管理者試験を受験してきたことは、当ブログでもご報告した通りです。

そして、自分の番号があることを確認することができました。

さて、上の記事では、資格の概要や本試験での所感を中心にお伝えしたため、勉強法についてはそれほど突っ込んだお話は致しませんでしたが、多くの方が知りたいのは、合格するための勉強法だと思います。

というわけで、本稿では、僕がどのように勉強して総合旅行業務取扱管理者試験に合格したか?その勉強方法について紹介いたします。2021年以降に受験される方の参考になれば幸いです。

勉強を始めた時期とバックグラウンド

勉強法についてお話しする前に、僕自身のバックグラウンドと勉強を始めた時期についてお話しさせて下さい。

旅行業とは無縁の仕事

自身のバックグラウンドについて少しお話しいたしますと、僕は旅行業や旅行代理店に勤めているわけではありません。

もっとも、上の記事内でも少し触れたのですが、仕事上、旅行関係の会社と多少の関わりがありまして、旅行業の法令や約款などの知識があれば仕事上も有益になるのではないかと考えた結果、総合旅行業務取扱管理者試験を受験することにしました。

後述するように、もともと色々な場所に行ってはおりますが、それはあくまで旅行者としての立場でしたので、旅行業に関する知識はほぼ皆無でした。また、出かける際には飛行機を利用したり、鉄道は青春18きっぷを使って乗車することが多かったため、特急料金に関する知識などもほぼ皆無という状態でした。

2020年7月に勉強開始

そんな背景にもかかわらず、総合旅行業務取扱管理者試験の勉強に着手したのは2020年7月中旬でした。

試験が10月に実施されることからすると割と遅いスタートではないかと思います。

また、これも後述しますが、同時並行で複数の資格試験の勉強も行っていたことからすると、かなり効率的な勉強が要求されます。国内旅行業務取扱管理者資格を持たない人が総合旅行業務取扱管理者試験に合格する合格率は10%台という数字からすれば、かなりハードルが高いとは思いますが、合格できないことはないと思います。

勉強法総論

勉強を開始するにあたって、合格者の勉強方法を調べてみることにしました。

そこで、Googleで「総合旅行業務管理者 ブログ」で検索しまして、以下の2つの記事を参考にさせて頂きました。

こちらのお二方は国内旅行業務取扱管理者試験に合格し、翌年、総合旅行業務取扱管理者試験を受験したというルートを歩まれておりました。いきなり総合を受験した自分とはちょっと異なりますが、それでも海外旅行実務の勉強方法の参考になると思い、拝読いたしました。

また、2020年9月にはFP2級を受験したため、9月の上旬はほぼ勉強時間を確保することができませんでした。

加えて、11月には行政書士試験を控えていたため、全てを並行して進める必要がありました。ですので、必要最小限の労力で合格レベルに達する勉強法を採るしかありません。

既に受験報告の記事に記載しておりますが、僕の得点は決して高い得点ではありません。つまり、「合格できればよい」という目的の勉強方法を採用したがために、この程度の点数しか取れなかったと考えております。

ですが、この資格を受験される方の多くが、仕事上の理由など必要に迫られて受験していると思われます。そういった方のために役に立つ情報を提供できればと思い、本稿を執筆しております。

総勉強時間

勉強時間を計測していたわけではないので正確な時間はわかりませんが、150時間ぐらいではないかと思います。

(多く見積もっても200時間は行っていないと思います。)

インプットについて

受験報告の記事内でも書かせていただきましたが、初めて学ぶ知識が多かったため、インプットから入ることにしました。

ある程度知識がある試験であれば、アウトプットから入ってしまった方が学習効率が上がるのですが、初めて学ぶ内容に関しては、インプットから入った方が効率的だと思いますし、何よりアウトプット時のスピードも上がるのでより効率的だと考えたからです。

それでは、具体的にどのようにインプットしていったかについてお話していきます。

インプット用教材

まず、使用した教材はこちらです。

総合旅行業務取扱管理者試験のインプット教材はこれ1冊で足りました。もっとも、旅行地理については内容が薄いため、別の教材で補強が必要になりますが、後述するように、インプット用の教材ではなくアウトプット用の教材で必要十分だと思いますし、実際のところ必要十分でした。

インプットの順番

受験報告の記事でもお伝えいたしましたが、僕はちょっと特殊な順番でインプットしていきました。その順番とは、次の通りです。

  1. 第3編(国内旅行実務)
  2. 第4編(海外旅行実務)
  3. 第1編(旅行業法)
  4. 第2編(約款)

この試験、どうしても時間がかかるのが実務科目です。法令や約款よりも圧倒的に実務科目の方に勉強時間を割くことになります。というのも、実務科目は覚えることが多いからです。

ですので、前から順番にやっていくと法令や約款を忘れてしまう可能性があるため、先に実務から入ることにしました。

インプットの方法

インプットの方法ですが、説明文を読み進めていくだけでした。

また、1周目から掲載されている復習問題を解いていました。この方法だと確かに1周回るのに時間がかかりますが、問題を解くことで記憶の定着率を上がると思ったため、各チャプターの最後に掲載されている復習用の問題は必ず解いていました。ただし、後述する問題集には手を出さず、ただひたすらインプット用のテキストのみをやりました。

なおテキストを読みながらまとめノートを作ったりする勉強法を採る方もいらっしゃるかと思いますが、その方法はオススメしません。ただテキストを写してしまうだけになりますし、膨大な時間を消費してしまうことになります。

ちなみに、この時点では観光地理についてはほとんど手付かずでした。それよりもJRの運賃・料金計算や国際線の運賃計算(マイル計算など)に時間を割きました。おかげで国際線の運賃の計算は1周目でマスターすることができてしまったため、その後、本試験までほとんど時間を割きませんでした。

観光地理について

僕がとった観光地理の勉強方法はちょっと特殊な方法です。

観光地理の勉強方法だけをまとめた項目を用意しましたので、そちらをご覧頂ければと思います。(後述)

アウトプットについて

つづいて、アウトプットの方法について紹介してまいります。

アウトプット用教材

まず、アウトプット用の教材として用意したテキストを紹介します。アウトプット用の教材として、次の2冊を使用しました。

ユーキャンの過去問集ですが、表紙にも記載されている通り、総合旅行業務取扱管理者試験用の問題集になります。国内旅行業務取扱管理者試験用は別にありますので購入の際には注意が必要です。

また、大原の観光地理用の問題を購入したのは、ユーキャンの過去問集では観光地理の問題数が少ないため、不十分だと判断したためです。

ユーキャンも観光地理専用の書籍を出しておりますが、ユーキャンのものにしなかった理由は、大原の方が安かったのと、600問収録されているというボリュームです。

どちらが優れているというものでもないと思いますので、実際に書店に行って、ご自身に合ったものを購入すればよいと思います。

アウトプットの方法

インプットの1周目を終えたら、問題集を使って問題演習をしていきました。これによって、テキストを一読しただけで理解できたものとそうでないものを洗い出すことができます。洗い出したら、理解できていないものを中心に復習をし、何度も問題演習を繰り返すというやり方です。

トータルでは3周しただけですが、自分の苦手な分野というものがよくわかり、試験当日はその苦手なところを読み込んでいき、最終確認をしました。おかげで、最終確認したところが本試験にも出題され、得点を拾うことができました。

なお、時間に余裕のある方は、苦手な問題というのを取りまとめたノートを作るのもよいかと思います。もっとも、僕の場合は問題集に直接書き込みを行ったので、改めてノートを作成するということはしませんでした。

JRの計算問題について

国内旅行実務科目攻略の鍵となるのがJRの計算問題です。JRの計算問題は避けては通れません。ですので、JRの計算問題に苦手意識を持ってしまうとそれだけで合格するハードルがぐっと上がってしまいます。

苦手意識を作らないためにも、JRの計算問題は数をこなしておくことをオススメいたします。もっとも、先に紹介したユーキャンの問題集だけでは数に限りがあるため、少々物足りなさを覚える方もいらっしゃるかもしれません。

そんな時は、国内旅行業務取扱管理者試験の過去問を利用するのが良いでしょう。

一般社団法人全国旅行業協会のウェブサイトに国内旅行業務取扱管理者試験の過去問が掲載されております。

それをダウンロードして利用すれば、JRの計算問題をより多く解くことができます。ただし、消費税が8%の時代の問題もあるため、数字が若干異なっている点には注意です。

逆に、国内旅行業務取扱管理者試験を受けられる方は、一般社団法人日本旅行業協会に掲載されている総合旅行業務取扱管理者試験の国内実務の問題を利用すれば、よりJRの計算問題演習をこなすことができます。

観光地理の試験対策

さて、ここからは観光地理の試験対策、勉強方法について紹介して参ります。

観光地理がもっとも時間を割くことになるかと思いますし、僕自身ももっとも時間を割いたところです。では、具体的にどのように勉強したかについて紹介してまいります。

観光地理の具体的な勉強方法

まず、インプットについてですが、テキストを一から熟読するという方法はとりませんでした。理由は覚えるべき場所や名前が多すぎて、一つ一つ読んでいくと膨大な時間を消費すると判断したためです。

そこでやったことは、大原の問題集を頭から解くという方法です。

ここでもアウトプットの方法で紹介したように、知っていること、知らないことを洗い出していきました。

体験にまさる学習なし

ここでちょっと話が脱線してしまいますが、インプットに関して少しお話したいことがあります。

小見出しにありますとおり、体験にまさる学習なしです。

前述しましたが、僕自身、国内、海外ともにこれまで色々なところに行ってきました。そして、これまで僕が訪れた場所などを記録として残すために、旅を写真をテーマに扱ったブログ、「今日もアジアの片隅で」を運営しております。

こうして記録にも残しているため、訪れた場所に関してはしっかりと記憶として定着しております。また、訪れる前には下調べとしてGoogleマップと睨めっこしたりもするため、自然と色々な場所に触れる機会がありました。

記録と体験のおかげで強力な記憶となっておりまして、自分が訪れたことがある場所については改めて勉強することなく問題を解くことができました。

COVID-19の影響で以前ほど気軽に旅立てなくなってしまいましたが、実際にその場所を訪れてみるのも良い勉強になるかと思います。

Googleマップ勉強法

話を戻しましょう。

先ほど、自分が訪れた場所は新たに勉強しなくとも問題を解くことができたと書きましたが、訪れたことがない場所については一からインプットしていかなければなりません。合格者のブログを拝読すると、旅行会社のパンフレットを見たり、白地図に自分で記入していったりという方法でインプットされている方もいらっしゃいました。

僕も最初は白地図に自分で記入して資料を作成しようと思ったのですが、世界各国の白地図や47都道府県全部の白地図を入手して…なんてやっている時間はないと判断し、Googleマップを利用して資料を作ることにしました。名付けて、Googleマップ勉強法です。

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Googleマップを開くと、左上の検索バー内の左側にメニューを開くためのボタンがありますので、そちらをクリックしてGoogleマップのメニューを開きます。

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メニューを開くと、真ん中あたりに「マイプレイス」という項目がありますので、そちらをクリックします。

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すると、このような画面が出てきますので、マイマップをクリックしたのち、そのままメニューの下の方へと目をやると……

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地図を作成と書かれておりますので、これをクリックします。

f:id:tidus_tabilog:20201111000433j:plain そうすると、Googleマップを利用して自分だけの地図を作ることができるようになります。

これを利用して、世界遺産をプロットしていけば自分だけの世界遺産地図が完成しますし、温泉をプロットしていけば温泉地図が完成するわけです。

つまり、この機能を利用して、日本、アジア、ヨーロッパ、北米、ハワイ、南米、アフリカ、試験に出題される観光地理をプロットしていけば、自分だけの資料が完成するわけです。

あとは隙間時間にスマートフォンでGoogleマップを立ち上げ、地図を眺めてインプットを行えば、学習効率も上がると思います。また、試験の際に持っていく資料も減らせるのでよいかと思います。

ただ、難点をあげるとすれば、データを入力するのに時間がかかることです。白地図に手書きで書くという手間に比べれば、時間がかかります。これが許容できる方であれば、オススメの学習法だと思います。

工数を減らすための方法としては、ExcelやGoogleスプレッドシートを利用して一括読み込みをする方法があります。

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僕はこのような形でスプレッドシートに予め記入をしてデータを作成した上で、マイマップ に読み込ませました。データのインポートの仕方はとても簡単です。

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マイマップのメニューにレイヤを追加という項目があるのでそちらをクリックします。

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そうすると、無題のレイヤというのが現れますので、インポートをクリックします。

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次にこのような画面が出てきます。あとはインポートするファイルを選択したり、ドラッグ&ドロップでアップロードすれば一括で読み込んでくれます。

英語について

総合旅行業務取扱管理者試験の特殊性として、英語が出題される点が挙げられます。

英語の勉強法については、受験報告の記事でも記載いたしましたが、昔とった杵柄で勝負しており、特別な対策等はしておりません(笑)

僕自身、普段からTOEIC等の勉強をしているわけでもありませんし、帰国子女でも留学経験があるわけでもありません。

大学受験時代に英語は真面目に勉強していたのでそれが功を奏したのだとは思いますが、大学入試のようにちんぷんかんぷんな長文が出題されるわけではないので、最低限の単語と文法がわかっていればしっかり得点することができると思います。

また、問題の選択肢は日本語で書かれているので、そこからヒントを得て問題文を読み解いていけば食らいつくことは十分できると思います。

さいごに

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今まで色々な試験を受けてきましたが、総合旅行業務取扱管理者試験は癖が強い試験だと感じました。出題者の引っ掛け方に癖があるため、その癖になれるまでに時間がかかり、結果、前日にようやく闘えるレベルにまで自分を引き上げることができたと考えております。

旅行関係の会社に勤めていなくても、隙間時間だったり、デジタルデバイスを利用すれば科目免除なしでも一発で合格できるレベルに持っていくことができると思います。

大事なのは、「試験終了まで諦めない」ことです。「合格できないかも」と思って受験すらしなければ、絶対に合格することはできません。

本稿を最後まで読んで頂きましてありがとうございました。皆様の合格を祈念しております。

それでは!