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2025年司法試験(刑事系)の難易度をAIに評価させてみた

2025年の司法試験の合格発表が迫って参りました。

以前の記事でもお伝えしたとおり、ワタクシ、玉砕さいた場合には水面下に潜ってしまい、再びブログを更新しない可能性があります。その前に公開しておこうと思いまして、急遽、筆をとりました。

前々回の記事では、公法系の分析・評価結果をご紹介しました。前回の記事では、民事系の分析・評価結果をご紹介しました。

今回は、刑事系の分析・評価結果をご紹介いたします。

この記事の目次は以下のとおりです。 [:contents]

それではどうぞ!

刑法

まずは刑法の分析・評価結果です。以下は、断りがない限りGeminiの回答になりますが、私見・感想のブロックについてはワタクシによるものになります。

総合難易度

難易度: ★★★★★ (極めて難しい)

  • 【総評】

この問題は、司法試験の問題としてもトップクラスの難易度に位置すると考えられます。設問1では、財産犯分野における基本的だが正確な理解が問われる複数の論点が、設問2では、刑法総論の中でも最難関かつ応用的な論点が、それぞれ正面から問われています。

受験生の知識の正確性、応用力、そして刑法理論の深い理解度を厳しく試す、非常に優れた良問であると同時に、受験生にとっては極めて負担の大きい、厳しい問題です。

設問1

難易度: ★★★★☆ (難しい)

設問1は、一見すると基本的な事例ですが、論点の数と、それぞれに求められる理解の精度が非常に高いです。

  1. 有印私文書偽造罪(替え玉受験)

◦偽造」の定義、特に名義人と作成者の同一性という本質を、答案という特殊な文書を題材に論じさせる点で、深い理解が問われます。

◦ さらに、「秘書が作成した場合との比較」を求めることで、単なる論証パターンの暗記では対応できない、事例対比型の思考力を要求しています。これは非常に高度な問いです。

  1. 詐欺罪(他人名義カード利用)

◦ これも典型論点ですが、「人を欺く行為」の意義を、反対説に反論しつつ論じさせる形式が特徴的です。これにより、なぜその解釈が正しいのかという、理由付けの深さが問われます。

◦ カード会員規約や加盟店規約といった事実に法的な意味付けを与える能力も試されます。

  1. 共同正犯

◦ 甲について、自身が名義人であるにもかかわらず、なぜ偽造罪や詐欺罪の共同正犯が成立するのか、という共同正犯の処罰根拠にまで遡った理解がなければ、説得的な答案は書けません。

これらの論点を、それぞれ独立させつつ、最終的に共同正犯としてまとめる必要があり、知識の網羅性と正確性、そして応用力の全てがハイレベルで要求されています。

設問2

**難易度: ★★★★★ (極めて難しい)

設問2は、刑法総論の中でも屈指の難解さを誇る論点が凝縮されています。

  1. 甲の罪責(因果関係と介在事情)

◦ 甲の暴行とDの死亡との間の因果関係が、本設問最大の論点です。

◦ 第三者の行為(自動車事故)という介在事情がある場合に、いかなる基準(危険の現実化など)で因果関係の有無を判断するのか、という刑法解釈論の最重要分野の一つが問われています。

◦ 「救命は確実であった」という事実をどう評価するか、介在事情の異常性の程度をどう判断するかなど、あてはめの能力も極めて高度なものが要求されます。

  1. 丙の罪責(不作為犯)

◦ 母親である丙の罪責を問うことで、不作為犯という、これまた最難関の論点が出題されています。

◦ 作為義務の発生根拠(保護責任)は明らかですが、問題はいかなる犯罪が成立するかです。不作為による殺人(未遂)罪か、あるいは保護責任者遺棄致死罪か。両者の区別を意識した論述が求められます。

◦ さらに、問題文は「①行為」「②行為」という形で、作為の可能性・容易性を判断するための具体的な事情を詳細に与えています。これらの事実を丁寧に拾い上げ、規範にあてはめる作業は、非常に緻密な分析力を要求します。

総括

設問1で受験生の基本知識の精度を試し、設問2で応用的な理論の深い理解度と事例分析能力を試すという、二段構えの構成になっており、総合的な実力がなければ到底太刀打ちできない、非常に練られた問題であると評価します。

私見・感想

とある方が言っていたのですが、誘導に従って書いていたら、それだけで試験時間が終わると。 本当に分量的にきつかったですね。

この分量が、刑法の難易度を上げているようにも思えました。

そういえば、設問2の不作為の幇助って、2021年の予備試験でも問われていましたよね。Bexaの講師陣による分析会でお話されていましたが、予備過去問で問われているものが問われる傾向になってきている、と。

ワタクシも予備過去問は一通りやっておりましたが、本問は、辰巳の全国模試とLECの公開模試で出題されていたので対応できたのですが、それでも時間的に厳しく、因果関係等の認定を丁寧に行うことができませんでした。なんとか耐えててくれればいいなという感じです。

刑事訴訟法

続いて、刑事訴訟法の分析・評価結果です。以下は、断りがない限りGeminiの回答になりますが、私見・感想のブロックについてはワタクシによるものになります。

難易度評価

難易度:★★★★☆(やや難)

評価理由

総評

全体として、刑事訴訟法の捜査・証拠・公判の各分野から、基本的かつ重要な論点と、受験生の間で差がつきやすい応用的・発展的な論点がバランス良く散りばめられており、総合的な実力が問われる非常に質の高い問題です。事案が長く、登場人物や証拠も複数にわたるため、的確な事案分析能力と時間管理能力も要求されます。

「やや難」と評価した理由は、特に設問1③と設問2の各理由が、判例や条文の正確な知識と深い理解がなければ、説得的な論述をすることが困難なためです。

設問ごとの難易度分析

1. 設問1:各捜索・差押えの適法性

この設問は、逮捕に伴う捜索・差押え(無令状の捜索・差押え)の限界が問われており、刑事訴訟法の学習が十分に進んでいれば、論じるべきテーマ自体はすぐに把握できるはずです。しかし、3つの各行為が、それぞれ異なる重要な論点を含んでいます。

+ 下線部①(和室の捜索)   逮捕現場であるリビングとは「別の部屋」である和室の捜索が、「逮捕の現場」の範囲に含まれるかが問われます。甲の居室としての実態や、逮捕時の管理権が及んでいるかなどを具体的に検討する必要があり、標準的な難易度ですが、丁寧な事実の摘示と評価が求められます。

  • 下線部②(Yのポケットの捜索)

被逮捕者である甲ではなく、第三者であるYの所持品を捜索できるかが問われます。逮捕に伴う捜索の対象は、被逮捕者の身体・所持品に限定されるのが原則です。例外的に許されるか、Yの動きから証拠隠滅の危険性がどの程度あったのかを具体的に論じる必要があり、やや難しい論点です。

  • 下線部③(交番での捜索)

逮捕現場の路上から約1キロメートル離れた交番での捜索が、「逮捕の現場」と言えるかが問われます。これは、逮捕に伴う捜索の時間的・場所的限界に関する、極めて重要な判例(最決昭36.6.7等)の知識が問われる応用的な論点です。路上での捜索が困難であった事情、移動距離、時間的間隔、乙の抵抗の程度などを総合的に考慮して結論を導く必要があり、難易度は高いです。この部分の論述の質で、他の受験生と大きく差がつくでしょう。

2. 設問2:検察官の異議の当否

この設問は、証拠法と公判前整理手続に関する、かなり専門的で正確な条文知識を要求する問題です。

  • 理由1([証拠1]について)

証人である丙の証言の証明力を争う(弾劾する)ために、第三者である乙の供述録取書([証拠1])を使えるか、という問題です。これは、弾劾証拠の限界に関する非常にテクニカルな論点です。刑事訴訟法324条の2が、どのような証拠を弾劾証拠として許容しているかを正確に理解していなければならず、難易度は高いです。

  • 理由2([証拠2]について)

公判前整理手続で請求されなかった証拠を、公判期日で請求できるか、という問題です。これは、公判前整理手続の効力に関する刑事訴訟法316条の32の知識が問われます。「やむを得ない事由」による例外が認められるか、丙が法廷で記憶にないと証言したことがその事由にあたるかを検討する必要があり、条文の趣旨まで含めた深い理解が求められる、やや難しい論点です。

総括

以上のように、本問は基本的な実力を前提としつつ、複数の応用的な論点について、判例や条文の正確な知識と思考力を試す、司法試験の刑事訴訟法として標準以上の難易度を持つ問題と評価します。

私見・感想

上記のGeminiの評価は的確であると思っています。

試験現場で問題文を読んだ瞬間、2012年と2013年で出題してきた論点を複合的に出してきたなという印象でした。 総合的に、Geminiが示しているようにやや難という難易度の問題だったのかなと。

さいごに

以上、3系統それぞれについて、AIに分析・評価をさせてみました。 どの科目も妥当な評価をしているという印象でした。

はたして、約1か月後に公表される出題趣旨とどれだけ乖離があるのか?非常に楽しみです。

それでは!