先日お伝えしたとおり、2025年度の司法試験に合格することができました。
そして、試験に向けて何か役立つ情報を発信することができないかと考え、ワタクシが使用していた教材を紹介することにしました。初回は、憲法と行政法の教材を紹介しました。
今回は、タイトルにありますとおり、民事系の科目の勉強で使用した教材です。
一覧表は、下記の通りになっています。
以下、それぞれについて、それを選んだ理由等を紹介してまいります。
民法
まずは、民法からです。
基本書・判例集
リーガルクエスト
民法の基本書は、リーガルクエストⅠ〜Vを使っていました。
リーガルクエストを基本書として使用している人は、少数派だと思います。そんな中、なぜワタクシがリーガルクエストを使用していたかというと……
リーガルクエストに書いてあることで対応できるから
です。
すべての問題について書かれているという趣旨ではなく、リーガルクエストに記載されている記述をベースに考えれば、司法試験は対応可能だった、という趣旨です。
よく使われている中田先生の債権法や潮見先生の本は1冊も持っていません。
判例百選Ⅰ〜Ⅲ
判例集の定番、判例百選です。これを使用していたのは、ロースクールで教材として指定されていたので、司法試験対策としても利用しました。
演習書(予備校本含む)
続いて、演習書です。
重要問題習得講座
ロースクール入学前に、アガルートの『重要問題習得講座』を購入していたので、そのまま使用しました。
この問題集に掲載されている問題のうち、旧司法試験の問題を中心にやっていました。『民法サブノート210』や『ロープラクティス民法』、『新・考える民法』を使っている同級生もいましたがが、ワタクシは、重問のみです。
「重問のみ」と書くと誤解されそうですね。もちろん、過去問(司法試験・予備試験)もやっていました。
その他
趣旨規範ハンドブック
サブノートとして、趣旨規範ハンドブックを使用していました。ここに掲載されていないが、判例百選に掲載されている判例については、判例の規範とその理由づけをプリントアウトして、貼り付けておりました。
判例六法
短答の一元化教材として、判例六法を用いていました。周りを見ていると、LECの『完全整理択一六法』や早稲田経営出版の『逐条テキスト』を使っている人が多数派でした。
なぜ、判例六法を使っていたかといいますと、普段の勉強から判例六法を使っていたというのもありますが、短答試験の日は、これを1冊持っていけば済むので、荷物が減るためです。
なお、上記は、令和8(2026)年度版を紹介しておりますが、ワタクシが使用していたのは令和6(2024)年度版です。なぜ、古い版のものを使用していたかというと、まだ施行されていない改正法が反映されてしまっていると、今年の試験では有害だと思っていたからです。
司法試験は、実施年の1月1日に施行されている法令に準拠して出題することがアナウンスされておりますので、未施行の改正法が掲載されている六法をお使いの方は注意が必要です。
商法
つづいて、商法です。
基本書・判例集
商法は、ちょっとイレギュラーで、使用していた本が2冊あります。
会社法(紅白本)
元々は、紅白本で勉強していました。
上記は第4版ですが、ワタクシが使用していたのだ第3版です。
最初、リーガルクエストと迷ったのですが、紅白本の方がなんとなく読みやすかったので、紅白本を選びました。ですが、ロースクールの授業と相性があまり良くなく、紅白本をベースにしつつも、結局、江頭先生の『株式会社法』を読んで調べるということが常態化していました。
もっとも、紅白本は、実務と相性がいいと感じております。実際、読んでて勉強になりました。
リーガルクエスト
次に、途中でリーガルクエストを使い始めました。
理由は、2025年の司法試験の受験前に、改訂されたためです。情報をアップデートしたと考えられたので、買っておいて損はないだろうと思い、購入し、使い始めました。他方、リーガルクエストに遅れて紅白本も発売されました。紅白本、もう少し早ければリーガルクエストを買わなかったかもしれません。
会社法判例百選
判例集の定番、判例百選を使用していました。幸い、これもロースクールの授業で指定されていた教材だったので、そのまま司法試験対策としても使用しました。
一時期、Appendixに掲載されている判例が題材にされるという時期がありましたが、近時はそうとは限りません。網羅的に潰しておくと良いかと思います。
演習書(予備校本含む)
重要問題習得講座
商法も、重問をやっていました。
もっとも、重問だと物足りなかったため、何周もするということはせず、司法試験の過去問や予備試験の過去問をメインにしていました。
なお、ロースクールの授業で、『会社法事例演習教材』を潰していたのは、かなり実力アップに繋がったかもしれませんが、同書がネタ本の時代はもう過ぎてしまっているように思えますので、必ずしも潰す必要はないのかなと思います。
その他
趣旨規範ハンドブック
民法でも使用していたので、商法も同様に使用していました。
もっとも、同書において、商法は独自の体系になっているので、使い勝手は最悪でした。ですので、インデックスシールを使って、テーマがわかるようにしておきました。
民訴法
民事系の3科目は、民事訴訟法です。
基本書・判例集
リーガルクエスト
受験界では不人気の『リーガルクエスト民事訴訟法(第4版)』を使用していました。
理由ですが、ロースクールの授業で指定されていたためです。最初は、独特の用語(主観的併合を主体的併合と表記するなど)に戸惑いましたが、慣れてしまえばどうってことはありませんでした。
論点によっては通説とは異なる見解がとられていたりしますが、これも分かった上で読んでいると、特に不都合はありませんでした。
さらに、リーガルクエストの記述は、論証に応用可能だったので、最終的には非常に使い勝手のいい基本書でした。
判例百選
民訴も判例集の定番、判例百選を使用していました。
理由は、これもローの授業で指定されていたためです。民訴判例百選は、民事系の中で最も使用頻度が高かったです。
演習書(予備校本含む)
事例で考える民事訴訟法
市販の教材としては、上記のものを使用していました。試験委員の先生方だったので、ネタ本になる可能性があると考えて使用し始めたのですが、そんなことは関係なく、民訴の理解を深めるのに非常に役立った演習書でした。
ちなみに、本書をお勧めするポイントは、本書に掲載されている、4名の先生による民事訴訟法の答案作成にあたってのコラムです。試験委員を経験している先生方が、民事訴訟法の答案の作法について紹介しています。これは、民事訴訟法の事例問題を解くにあたって、非常に役に立ちました。民訴の答案の書き方のイメージがわかない、よくわからないという方は一読してみることをお勧めします。
なお、残念ながら参考答案はついていません。解答にあたっての注意事項として示されている論点を参考とせざるをえませんでした。
その他
趣旨規範ハンドブック
民法・商法と同様、趣旨規範ハンドブックも使用していました。
民訴の場合、ベースとなっている説が主流ではないものが採用されていたりするので注意が必要ですが、それさえ気をつけていれば、よいサブノートだったと思います。
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最後に
というわけで、今回は、司法試験の勉強で使用した教材(民事系篇)でした。
民事系は、過去問の重要性比較的説かれないように感じますが、そんなことはなく、やはり過去問は潰しておいて損はないと思います。民事系は、条文操作が問われることが多いですが、過去問を使って条文操作の訓練を積んでおくとよいです。
また、近年の民法は、小問の数が多く、処理ゲーム化しているので、過去問を使って、時間配分などの訓練をしておくことも重要です。そして、民事訴訟法は、民事系科目の中でもっとも特徴的な出題形式ですので、過去問をつかって慣れておくとよいです。特に、採点実感は必読です。毎年、採点者からの「お叱り」のメッセージが書かれています。ここに書かれていることを踏まなければ、不良の答案という評価を受けることを避けることができます。もちろん、商法の過去問も潰しておく必要があります。特に商法は、予備試験で問われていることの応用が出題されたりしているので、可能であれば、予備試験の過去問も潰しておくとよいでしょう。
以上、民事系科目で使用した教材の紹介でした。
それでは!















