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行政書士試験の勉強方法等に関する質問にお答えいたします

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2021年の行政書士試験まで残り176日になりました。

もしかしたら、受験生の中には焦り始めてしまわれる方もいらっしゃるかもしれません。私見を言わせてもらいますと、全くの初学者でもない限り、まだ焦る必要はないと思います。しっかりと基礎固めを行いましょう。

さて、行政書士試験に関して、過去に質問箱でご質問を頂いたことがあります。

僕のツイートをご覧になっていらっしゃる方はご存知かもしれませんが、全く知らない方の方が多いかと思います。同じようなことで悩まれていたり、不安に思っていらっしゃる方もいるかと思いますので、本稿では寄せられたご質問と、それに対する僕の回答を紹介いたします。

質問の概要

今回紹介するのは5つの質問と、それに対する回答です。

ざっくりとした内容から勉強方法に関する質問もありますので、受験生のお役に立つのではないかと思います。

それでは早速紹介してまいります。

質問1

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専業受験生として勉強したら合格できますか?というご質問でした。

回答1

以下、質問箱で回答した僕の回答になります。

①正しい努力(合格するための勉強)をして、②試験会場に行って受験をすれば、合格可能性は十分にあると思います。

先に②について説明しますと、毎年出願だけして試験会場に行かない人が1万人程います。つまりスタートラインにすら立たない人が多くいるわけです。スタートラインに立たない=合格可能性0%なわけですから、合格したいのであれば、絶対に試験会場に行って試験を受けましょう!

次に①についてですが、合格するための勉強とは、試験問題が解けるようになる(正解が導き出せるようになる)ことです。その為には、過去問演習が必須です。早い段階で肢別過去問集か過去問集を入手して、演習を繰り返して下さい。「テキストをしっかり理解してから問題演習しよう」という方法はとらないように気をつけてください。(民法は平成29年と平成30年に大改正が行われておりますので、民法の改正箇所だけは先にインプットしても良いかと思います。)

以上、独学でやると仮定してお話ししてしまいましたが、不安であれば予備校や通信講座を利用するのも手だと思います。最近ではYouTubeでサンプル講義を公開している予備校が多いので、ご自分にあった講師の講座を選ぶと良いかと思います。(テキトーに選ぶと後悔します。「相性」が悪いと勉強するのが苦痛になってしまいますので、事前にしっかりと吟味された方がよいかと思います。)

合格率10%ほどの試験ですが、合格できない試験ではありません。冒頭に申し上げました通り、①正しい努力と②試験会場に行って試験を受けるが実践できれば、合格可能性は十分にありますので、諦めずに勉強して頂ければと思います!

専業として勉強時間を確保できれば十分合格レベルにもっていくことは可能です。ただし、間違った方向や方法で努力をしてしまうと合格可能性は高まりません。

合格の方向性を示してくれるのは、まさに「過去問」です。過去問をしっかりと分析し、それに沿って学習をすることで十分合格にたどり着くことができます。

それと、資格試験は受験申込だけして実際には会場にすら行かない人というのも一定数おります。

理由は色々とあるとは思いますが、受験会場にすら行かないというのは、試験に合格する確率は0%だということです。何があっても合格することができないのです。

合格したかったら試験会場に行って試験を受ける

これは必ず実践しましょう。勉強が足りてようが不足してようが関係ありません。試験を受けなければ絶対に合格はできません。

ただし、どうしても一発合格に拘りたい方は自信がないのであれば受けに行く必要はないと思います。

質問2

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続いてのご質問は、現在法学部に通われている大学生からの質問でした。

勉強法に関する質問と、合格までに要した勉強時間についてです。

回答2

以下、質問箱でお返しした僕の回答になります。

民法を学んでいるうちに憲法を忘れていってしまいそうで不安になりますよね。特に民法は範囲が広いし覚えることも多いのでなおさらですよね。

憲法を忘れないようにする為にも肢別過去問集を民法と並行してやると良いと思います。条文の学習も大事なのですが、今の時期は問題の解説で条文が出てきたら都度条文を見て確認するという程度でも良いかなと思います。(9月以降は条文の素読が必須になります。)それから、近年、憲法は難化傾向にあります。余裕があれば判例を読み込みましょう。結論だけではなく、どういうロジックで結論を導いているかまで押さえておくと得点力につながります。(理由付を他のものと入れ替えて出題されていたりするので、結論だけしか覚えていないと歯が立ちません。)

民法は分量が多い上に、全体を学ばないと理解できないところもあるので、民法も肢別過去問を何度も繰り返して知識の定着を図ると良いかと思います。物足りなければ、SNSでも話題になっているスーパー過去問を利用するのも良いかと思います。

この後行政法と商法が待ち構えておりますが、基本的な勉強方法は同じで、何度も問題を解いて知識の定着化を図ります。可能であれば、何故その肢が誤りなのか、理由を文字に書いてみるとより効果的です。文字にすると言い訳が残酷なまでに視覚化されるので、何が理解できていないかがよくわかります。(余裕があればで構いません。)

法律の勉強は、一度で理解できることの方が少なく、全体を学んで初めて有機的に繋がることが多いです。ですので、途中、理解できないことが出てくるかもしれませんが、諦めずに全体を回すことを意識して、繰り返して下さい。

あと、一般知識対策として、毎日少しでも構わないのでニュースに目を通しておくと良いかと思います。

最後に、勉強時間についてのご質問ですが、正確に測ったわけではないので概算になってしまいますが、問題演習の時間だけで250〜300時間ぐらいです。あくまでも私見ですが、勉強時間に一つの目安ではありますが、これを指標にすることはあまり意味がないと考えております。大事なのは試験問題が解けるようになることです。そして、苦手分野をいかに少なくできるかです。

試験終了の合図があるまで諦めずに、ぜひ合格を勝ち取って下さい!

行政書士試験の最大のヤマ場は、行政法と民法です。そして、民法は範囲が広いので、全てを網羅するにはかなりの時間を要しますし、民法を勉強しているうちに最初の頃に学んだ総則や物権、あるいは他の科目を忘れてしまうのではないかと不安に襲われます。

人間というのは忘れる生き物ですので、「忘却」というものと上手く付き合っていく必要があります。ですので、しっかりと復習をしていくということがポイントとなってきます。

質問3

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3つ目の質問は、行政法の勉強に関する質問です。

回答3

以下、質問箱でお返しした僕の回答になります。

本試験で失点しまくっているので「完璧な状態」には程遠かったので回答しづらいのですが…

主観的に、「これで本試験も十分に闘えるレベルになったな」と思えたのは、最後の1週間、つまり本試験の数日前です。 勉強時間を計測していないので、正確な時間は分かりかねますが、大体70時間ぐらいだと思います。ただし、これは肢別過去問の演習にあてた時間ですので、講義やテキスト読みといったインプットの時間は除いてます。直前期は条文の素読もやっていましたが、その時間も計測していないので、上記の時間から除いてます。

行政法を仕上げるまでに要する時間ですが、ご自身の学習経験、状況にもよると思います。もし、初学者ということでしたら、一か月では足りないかもしれません。行政法は覚えなければいけない用語が多いですし、範囲も広いので、初学者にはなかなかハードルが高い科目なので、それなりに時間がかかると思っておいた方が良いかと思います。

経験者でしたら、一か月あれば間に合うと思いますが、油断と慢心は禁物です。

僕自身、行政法でかなりミスをしまっております。今振り返ると、行政法はあともう1周やっておけばよかったなと思います。

ですが、この記事をご覧になっていらっしゃる方は、本試験まで、まだまだ十分に時間がありますので、今のうちからしっかりと理解と記憶をし、本試験に臨んで頂ければと思います。

質問4

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4つ目の質問は、復習の方法についての質問でした。

回答4

以下、質問箱でお返しした僕の回答になります。

1周目は思うようになかなか進まなくて辛く感じることもありますよね。ですが、学習が進んでいくとスピードも上がってきますし、超直前期になれば段違いのスピードで解答できるようになりますので、今はしっかりと基礎を固めておくと良いかと思います。

さて、ご質問頂いた「復習のタイミング」ですが、単元ごとにやっておりました。より詳細に説明いたしますと、肢別過去問を解く範囲として、1回にやる範囲を単元ごとに設定していました。民法を具体例に挙げますと、①総則、②物権、③担保物権、④債権総論、⑤債権各論(契約)、⑥債権各論(事務管理〜不法行為)、⑦親族・相続の7つのパートに分けまして、1日目は①だけやって、①の分野で間違えたところを復習。2日目は②だけやって、②の分野で間違えたところを復習……といった感じです。もし学習時間を長めにとることができるのでしたら、②を解く前に、①で間違えた肢だけを再度解いてみるとより復習の効果が期待できると思います。

法律学習は本当に分量が多いので、途中で投げ出してしまいたくなることも出てくるかと思います。ですが、最後まで諦めずに、ご自身を信じて本試験まで駆け抜けて下さい!

エビングハウスの忘却曲線からすると、間が開けば開くほど記憶として定着している量は少なくなります。ですので、初学者の段階で1冊まるまる終わってから復習するという間隔でやると、それだけで記憶としての定着率・量は一気に減ってしまいます。

初学者の段階だからこそ、こまめに復習をするというのが重要だと考えております。

僕は過去に法律を学んでいたことがあり、しかもかなり濃密に勉強したこともあって、それなりに記憶に定着しておりました。そのため、単元ごとに復習でも間に合いましたが、勉強を始めて日が浅い方はもっと短い間隔で復習をする方が記憶に定着しやすいと思います。

質問5

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5つ目の質問は、肢別過去問集を使った勉強方法(量)についての質問でした。

回答5

以下、質問箱でお返しした僕の回答になります。

なかなか難しい質問ですね。

Twitterを見てると、何十回も回転してる方もいらっしゃれば、何回もやることに懐疑的な意見をおっしゃる方もいらっしゃいます。

私見を述べさせて頂きますと、人それぞれ必要な回数は異なりますが、できる限り回数をこなした方が良いという考えです。

自分自身も可能な限り回数をこなしまたした。ただ、20周も30周もできませんでした。しかし、それでも合格できたので、やはり人によって違うのかなと思うわけです。

何回か回数をこなすと、絶対に間違えない問題、理解しているけどケアレスミスしてしまう問題、あいまいだけど正解できる問題、全く理解できていない問題と、大きく4パターンに分類できてくると思います。

1つ目のパターンは気にしなくて良いです。

2つ目のパターンは、本試験でも同じケアレスミスをしてしまう可能性があるので、文字に起こして本試験前に、自分がどういうケアレスミスをしてしまうかを確認できるようにしておくと、ミスを防げるかと思います。

1番厄介なのは3つ目のパターンです。なまじ正解できてしまうがために、「大丈夫」というバイアスがかかってしまうので、あまり復習しなくなってしまい、結果、本試験で形を変えて出題されると失点してしまうという事態に陥ってしまいます。これは、他人に説明できるか?という視点で問題を解いたり、自分で「ここを変えたらどういう結論になるだろうか?」と考えてみると良いかと思います。

最後に4つ目ですが、これは苦手な分野ですので、もう一度テキストに戻って復習しましょう。 そして、この3と4のパターンをいかに減らせるかが本試験までの学習の鍵だと思っております。そのために回数をこなして、自分で点検するということが必要になるのかなと。

回数を指標に設定するのもよいのですが、本質は回数をこなすことではなく、「解ける、理解する」という点にありますので、手段が目的になってしまわないようで注意して下さい。

求められている回答になっていないような気がしますが、違っておりましたらまたご質問頂ければと思います。

肢別を繰り返す理由ですが、わからない問題(復習が必要な問題)を炙り出すことにあると思っています。

ですので、絶対にわかる問題(復習が不要な問題)にいかに時間をかけないか、その選別が必要になってくるわけです。

上記のパターンの振り分けは、この選別作業に他なりません。

1回目○、2回目○、3回目○、4回目○

なんてパターンは楽ですよね。絶対に間違えない問題認定してしまい、苦手分野に時間を割くようにします。

1回目×、2回目×、3回目×、4回目×

このパターンの楽です。苦手なので絶対に復習が必要な問題なので、何度も何度も復習します。実際、このパターンはほとんどありませんでしたが、行政法(とりわけ総論分野や地方自治法)で何問か発生しました。

1回目×、2回目×、3回目○、4回目○

この手のパターンも比較的扱いは楽です。正しい知識が身についてきている傾向ですので、復習の間隔を開けても大丈夫だと思います。

厄介なのは次のパターンです。

  • 1回目×、2回目○、3回目×、4回目○
  • 1回目○、2回目×、3回目○、4回目×

扱いに非常に困ります。理解しているのか理解していないのか、単なるケアレスミスなのか、色々と要因はあると思いますが、扱いを間違えると、勘違いが発生してしまい、得点に結びつかないなんて事態に陥ってしまいます。

こういう場合は、謙虚になって、「自分は理解していない」と思ってしっかり復習した方が吉となるでしょう。

絶対数は少ないですが、このパターンの問題もいくつかあったため、しっかりと復習するように心がけました。

さいごに

以上、質問箱にお寄せいただいた行政書士試験に関する質問とそれに対する回答を紹介させていただきました。

あくまで僕自身の経験と考えに基づく回答ですので、同意できないという方もいらっしゃるかもしれません。それはもちろん当然のことだと思っておりますので、ご自身に合った方法を見つけて、合格点をとることができればOKなのです。あくまでも参考例として見ていただければと思います。

もし、行政書士試験に関して、質問したいという方がいらっしゃいましたら、お気軽にご質問頂ければと思います。

ブログにコメントを頂いても構いませんし、匿名で質問したいというシャイな方は質問箱からでも結構です(笑)

本文でも少し触れましたが、毎年約1割もの方が出願だけして受験しないという試験です。

中には病気を患ってしまったり、仕事やご家庭の事情でやむなく受験を断念したという方もいらっしゃると思いますが、出願以降に受けた模試で心を折られて諦めてしまったという方もいらっしゃいます。

僕もLECのファイナル模試を受けて、150点も取れませんでしたが、それでも合格しております。

今の時期はしっかりと基礎を固めて、力をつけていって頂ければと思います。そして、最後まで諦めず、試験会場に行って受験をして頂ければと思います。

それでは!