仕事をしながら資格試験の勉強をしようと思うと、可処分時間が限られていて、進捗管理やスケジュール管理などが勉強を継続する上で必要不可欠となってきます。
デジタル機器を使ったり、あるいは手帳を利用したりして工夫をされている方々も少なくないと思います。
自分も、春先に購入した「ほぼ日手帳」で予備試験の勉強管理を行ってきました。
が、これまでほぼ日手帳を利用してきて思ったのは、1日に書ける量がA5が限界であるので、さらに書きたいことがあると他のページに書かなければいけなかったんですよね。
それと、以前書いたページにすぐ飛べないという、紙ならでは検索性の問題もありました。
また、例えばガントチャートで各科目の進捗管理をしたいと思った際にはいちいち書かなければならないことや、一度書いたものを並べ替えたり…なんてするにはまた書き直さなければならなかったりと大変なんですよね。
思考を掘り下げるためにはよいツールだったのですが、勉強管理としては「別のツールはないものだろうか?」と思うようになってきました。
そこで試してみたのがNotionというアプリです。
というわけで、本稿ではNotionの紹介と、どのように活用しているかについて紹介したいと思います。
Notionとは
Notionはここ1〜2年で日本でも利用する人が増えたアプリで、一言で言うとワークスペースアプリです。
リリースされた当初は単なるメモアプリだと思っていたのですが、よくよく調べてみると、データベースを基盤としたメモアプリでした。故に、ワークスペースとして機能するのだと思います。
実際、チームでのナレッジの共有や工程管理など、ビジネスで利用される場面も増えていて、導入している日本企業も増えてきております。
エンタープライズ版は有料ですが、個人で利用する場合には無料版があります。(有料版もあります。)
まずは無料版で、活用できるかどうか試してみようと思い、無料版で始めてみました。
対応プラットフォームですが、
- ブラウザ版
- デスクトップ版(Mac/Windowsともに対応)
- スマートフォン版(iOS/Androidともに対応)
と各種対応しているのもありがたいです。
Notionの活用事例
自分がどのように活用しているか、の前に、先人たちがどのように利用しているかを簡単に紹介いたします。
YouTubeで活用法を紹介されている方がいらっしゃいますので、そちらをご覧いただいた方が早いかと思いますので、リンクを貼っておきます。僕もこちらの動画をみて、Notionのいじり方などを参考にさせていただきました。
また、平岡さんが、平岡さんのフォロワーの活用術を紹介している動画もありますので参考になるかと思います。
Notionによる勉強管理方法
Notionを利用した勉強管理方法ですが、大きくわけて
- 論文過去問(年版別)
- 短答過去問(年版別)
- 重要問題習得講座
の進捗状況を管理しています。
論文過去問について
予備試験は平成23年(2011年)に始まっておりますので、2011年からのものを各科目で登録しております。
ちなみに、何で名前の列で「●●法(2011年)」とつけておきながら別の列で「科目」「年度」を設けているのかを説明しますと、名前の項目(プロパティの「タイトル」に当たります。)は重複したものを使用することができないため、このように科目名と年度を合わせたものを使用しています。さらに「科目」と「年度」の列を設けた理由ですが、これらはいわゆるタグ付け(ラベリング)のような役割を果たさせており、フィルターといった機能やグルーピングといった機能を使用する際に、この項目に機能を発揮させております。
さらに、各科目には、試験後に発表されております「出題趣旨」を記載しておくことで、いちいちPDFを開いたり、あるいは法務省のHPに行って確認したりしなくても済むようにしました。
さらに、ビューを追加するという機能を使って、ガントチャート形式(タイムライン形式)で表示することができます。
あと、地味に便利だと思っているのが、ガントチャート(タイムライン)表示に自動でやってくれる機能。この機能は個人的に超ありがたい。あとはこれでしっかりと進捗管理をしつつ、しっかりと力をつけていかねば。
— てぃーし/勉強垢 (@tidus_studylog) 2021年11月10日
Twitter上でも書いたのですが、この機能が地味に一番気に入っています。冒頭でも書いた、ガントチャート形式で管理したい場合にもワンクリックで表示を変更できるので非常にありがたいです。
また、テーブル形式とタイムライン形式とで表示を異にできるので、テーブル形式では科目順に表示させていても、タイムライン形式では年度順に表示させることもできるので助かっています。
重要問題習得講座について
もう一つ。重要問題習得講座(いわゆる「重問」)の管理ページも作成しました。
上の画像は刑訴を例にしていますが、他の科目も全て同様にデータベース化しております。
重問で素材となっている事例問題は、オリジナルの問題もあれば、予備試験、旧司法試験の過去問ありますし、ロースクールの入試問題も素材となっています。ですので、過去問という列を作って何の過去問なのかをラベリングしまして、フィルター機能でソートできるようにしました。上の画像は旧司法試験でフィルターをかけた結果というわけです。また、予備試験あるいは旧司法試験の問題が素材とされている場合には、何年の問題なのかもわかるように独立した項目を作りました。
これで重問内の過去問が一覧できるようになったので、過去問中心とした演習を行うのに効率化が図れるのではないかと思っています。
短答過去問について
短答過去問も年度版のページは作成いたしました。
論文過去問に合わせて、年度別、科目別で管理できるようにしております。もっとも、僕の場合、短答の勉強は基本的には肢別を使用しておりますので、直前期の年度別で解くために作ったものになります。
さらに各科目ごとに平均点を入力しておいたので、目安にできるようにしました。
これが活用されるのは来年の4月になるかと思いますので、しばらくは何も入力されることなくこのままとなるでしょう。
ウィジェット機能
Notion自体にはウィジェット機能はないのですが、Indifyという別のサービスを利用することでNotion内にウィジェットを表示させることができます。
Notion自体は日本語対応しておりますが、Indifyは残念ながら日本語対応していないので、英語を見て判断しなければなりません。
ですが、何となく操作はわかるかと思いますので、テキトーにいじってみてウィジェットを作ってみることにしました。
そして、Notionに表示できたらいいなと思っていた機能がありましたので、使ってみることにしました。
そのウィジェットというのは、カウントダウンです。本試験までのカウントダウンができればいいなと思っていたので、これで実現することができます。
このように、予備試験のページのトップに表示されるように設定しました。
その他
MicrosoftのAccessというデータベースソフトを利用したことがある方ならお分かりいただけると思いますが、Excelで作成したデータをAccessにインポートすることができます。
NotionではExcelで作成したデータをCSV形式で保存し、そのCSVデータをインポートすることができます。
ですので、先に紹介したものをNotion上で1つ1つ作成したいったわけではなく、あらかじめExcelで作成し、それをCSVにしてインポートしました。
CSVでインポートできる機能があるから、Excelでテーブル作ってそれをインポートした。おかげで短答用のものもさくっと作成できた。だんだん使い方が分かってきたぞ https://t.co/cFmiI72ngZ
— てぃーし/勉強垢 (@tidus_studylog) 2021年11月10日
そうでないとこんなにたくさんものデータを入力するだけで丸1〜2日かかってしまいます。論文過去問のページを作成したときはまだ操作になれていませんでしたが、短答過去問のページを作成する際には30分もかからずに完成するくらいになりました。
もう一つ便利なのが、コメント機能です。
あと、コメントやメモを残しておけるから、答案作成して気がついた点だったり、できなかったところなどをコメントで残しておいて、いつでも閲覧できるようにした。タイムスタンプが残るから、いつ書いたかわかるから自分の思考や記憶の履歴を辿れるのがいい。もっと早く使うべきだったな。
— てぃーし/勉強垢 (@tidus_studylog) 2021年11月10日
答案を作成し、読み直したり振り返ったり、あるいは作成中に思ったことを忘れないうちにメモにとどめておいたりしたのですが、冒頭にも書いた通り、ほぼ日手帳ではスペースに限りがあるため限界を感じていました。
Notionでは各ページにコメントを残しておける機能がありますので、そこにその問題を解いた際に気が付いたことや自分の弱点だと思うことをメモとしてコメントしておくようにしております。タイムスタンプが自動的に残るので、自分の思考の履歴をたどれるのはいいですね。
最後に
一通り必要と思われる情報のデータベース化が完了したので、あとはゴリゴリ勉強を進めるとともに、しっかりと継続運用していくことが肝要かなと思います。
また、現時点では肢別については作成しておりませんが、肢別についてもデータベース化して運用できるようになればいいなと思っています。
というのも、肢別アプリの場合、前回の学習日時や正誤、自分の正答率は表示されるのですが、回数を重ねていくと、どのくらいの周期で回転させているかなどの情報は表示されません。肢別本だったら書いて残しておけるのですが……ですので、書籍、アプリともに一長一短あります。それを克服するためにも肢別アプリもデータベース化して運用できればいいなと思っているのですが、流石に各科目1000肢を超えるので、作成するのは骨が折れそうです。何か簡単にできる方法はないものか考え中です。