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2020年度の総合旅行業務取扱管理者試験の受験報告

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2020年10月11日に総合旅行業務取扱管理者試験が実施され、受験して参りました。

台風14号が接近していたので、2019年に引き続き2020年も一部の会場では延期になるのでは?と懸念されておりましたが、無事に実施されました。

本稿では、総合旅行業務取扱管理者試験の戦略、雑感等について紹介いたします。

総合旅行業務取扱管理者試験について

「総合旅行業務取扱管理者」という資格の概要については、先日公開した記事に記載した通りですので、そちらをご覧いただければと思います。

さて、総合旅行業務取扱管理者試験の試験の概要について説明をいたします。

試験科目

試験科目は、以下の4科目となっております。

  • 旅行業法及びこれに基づく命令
  • 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
  • 国内旅行実務
  • 海外旅行実務

各科目の概要をざっくり説明すると以下の通りです。

旅行業法及びこれに基づく命令

「旅行業法及びこれに基づく命令」では、旅行業を営むにあたって遵守しなければならない法律や命令について問われます。

旅行業約款、運送約款及び宿泊約款

「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」では、旅行業者等と旅行者が契約を締結するにあたって、守らなければいけないルールについて問われます。もっとも、契約自由の原則という大前提がありますので、モデルとなる標準旅行約款に基づいて出題がされます。

国内旅行実務

「国内旅行実務」は、文字通り、日本国内の旅行に関する実務について問われます。国内の観光地理や観光資源(温泉や名所など)をはじめ、鉄道の運賃等のルールや航空会社の運賃等のルールになどが出題されます。

海外旅行実務

「海外旅行実務」も文字通り、海外旅行に関する実務について問われます。海外の観光地理や観光資源(国立公園や遺跡など)をはじめ、国際線の運賃等の計算や乗り継ぎ、時差に関するルール、現地のツアーのレギュレーション(英文)を読み解かせる問題が出題されます。

出題形式

出題形式は、すべてマークシート形式になっています。

科目免除について

国内旅行業務取扱管理者という資格もあります。

こちらは文字通り、国内旅行のみを対象としている資格です。この資格を持っていると総合旅行業務取扱管理者試験の一部の科目免除を受けることができます。したがって、受験生の中には2年計画で受験される方のいらっしゃるようです。

もちろん、同じ年に両方受験される方もいらっしゃるようです。

僕の場合は短期間で決着をつけたかったのと、FP2級の受験スケジュールとの関係で、総合旅行業務取扱管理者試験のみを受験しました。

どのルートを辿るかは、お好きなルートを選んではいかがかと思います。

合格基準と合格率

合格基準は、各科目で60〜65%以上の得点することが必要と言われています。

総合旅行業務取扱管理者試験の合格率ですが、全科目受験の受験生の数字で見ますと、概ね10%前後です。

国内旅行業務取扱管理者試験の方は、全科目受験生の数字では、概ね35〜40%となっていました。

やはり科目数が増える分、総合旅行業務取扱管理者試験の方が難易度が上がるようです。

試験対策

ここからは僕がとった試験対策について紹介してまりいます。

まず最初に申し上げておきますと、総合旅行業務取扱管理者試験のために受験指導校は利用しておりません。

従いまして、完全な独学になります。

使用した書籍

使用した書籍ですが、全部で3冊です。

まず1冊目は、ユーキャンのテキストです。

こちらは総合・国内共通のテキストになっています。インプットのためのテキストはこれ1冊で十分でした。

2冊目は、ユーキャンの過去問題集です。

こちらは総合専用になります。国内旅行業務取扱管理者試験を受験される方は別の問題集がありますのでご注意下さい。

3冊目は、大原の問題集です。

大原は4分冊で出版されており、こちらは観光地理に特化した問題集になります。

具体的な勉強法

通常であれば、いきなり過去問から解きはじめてしまうのですが、旅行業法や約款はもちろん、実務に関する知識もなかったので、いきなり過去問をやっても解けずストレスを溜めるだけだと判断したので、1周目はテキストから読み始めました。

ただし、頭から、すなわち旅行業法から読み始めるのではなく、JRの運賃計算ルールから読み始めました。上で紹介したテキストでいいますと、第3編から読み始めたということになります。

  1. 第3編(国内旅行実務)
  2. 第4編(海外旅行実務)
  3. 第1編(旅行業法)
  4. 第2編(約款)

という流れです。

理由は、実務科目の方が時間がかかるなと思ったためです。

1周目を読み終えたあとは2周目に入らず、過去問集を解き始めました。過去問を解いていくと、テキストを一読しただけで理解できている部分と、理解できていない部分とを振り分けることができたので、2周目は理解できていない部分を重点的に勉強していきました。そして、再び過去問集を解きまして、

  1. 2回とも間違えてしまった問題
  2. 1回のみ正解できた問題
  3. 2回とも正解できた問題

を洗い出し、1と2については付箋をつけておき、3回目の問題演習を行いました。(3周目では、3に該当した問題は解きませんでした。)

また、JRの運賃・料金計算の問題は上記の不正解数に関係なく、繰り返し演習しました。JRに関する問題は、問題数が多く出題される傾向にあるので落とせないと考えたからです。また、繰り返し演習することで理解が深まってきますので、費用対効果が高いと思います。

私見ですが、ユーキャンのテキスト及び過去問集は秀逸だと思っています。しかしながら、ユーキャンの過去問集は一つ欠点があります。それは、観光地理・観光資源の問題数の少なさです。

そこで、観光地理・観光資源の問題演習のために大原の問題集を購入しました。(「問題集」となっていますが、過去問がベースになっているようです。)

この問題集の優れている点は、価格と問題数です。

税抜1,100円と低価格ながら、問題数が600問(国内、海外各300問ずつ)収録されています。これを本試験までに3周しました。

前述のとおり、僕は問題演習を中心に勉強しました。

過去の合格者の方のブログ等を拝見いたしますと、観光地理・資源については白地図をつかって、ご自身で資料を作成してインプットを行ったという方もいらっしゃいました。実際、受験会場では、そのような資料集を試験前に眺めていらっしゃる方もいらっしゃいました。

「で、あんたはどうなんだ?」

と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、僕の方法を紹介いたします。

僕は、ノートは作成しませんでした。ですので、白地図に自分で記入して資料を作成するということをやっておりません。そのかわり、別の方法を取りました。

具体的には、Googleマップのマイマップ機能を使いました。Googleマップには「お気に入り」機能があって、プロットした場所に「お気に入り」マークをつけることができます。しかしながらこれを一つ一つプロットしていくのは非常に骨が折れる作業です。ですので、Excelをつかって世界遺産などのリストを作成し、マイマップ 機能を利用してこれを読み込ませ、地図上でまとめて閲覧できるようにしました。

海外の観光地理に関する問題は、観光資源の名称を覚えるのも必要ですが、都市の位置を覚えることが肝要だと考えています。というのも、問題文を見ると、「○○の東部に位置する都市で…」というように場所がヒントとして記載されていることが多いからです。

過去問演習について

これまで述べてきました通り、分野別に過去問演習を行ってきましたが、年度別に時間を図って解くということはしませんでした。

ですので、通して問題を解くというのはぶっつけ本番ということになりました。

さきほど、ユーキャンの過去問集を紹介いたしました。先ほども紹介したとおり、繰り返し学習をしましたが、国内旅行実務、特にJRの運賃・料金計算に関しては、国内旅行業務取扱管理者試験の過去問も利用して演習量を増やしました。

国内旅行業務取扱管理者試験の過去問は一般社団法人全国旅行業協会のWebサイトからダウンロードできます。

なお、注意事項としては、消費税増税前の試験問題も含まれているため、増税前の数字で計算しなければならない点です。

英語について

先ほども紹介しましたとおり、総合旅行業務取扱管理者試験では英語の問題が出題されます。

英語に関して、何か特別な対策をしたか?

といいますと、実は特に対策はしておりません。ユーキャンの問題集に掲載されている問題と2019年と2018年に出題された問題を解いたくらいです。普段からTOEICなどの英語の勉強もしておりません。

最初から捨てていたわけではなく、全く理解できない文が出題されるとは思っていませんでしたし、ポイントだけ抑えれば十分対応が可能だと思ったからです。実際、今回の試験も英語でしっかりと得点することができたおかげで助かりました。

本試験での解法と雑感

さて、ここからは本試験での解法や雑感などについてお話していきます。

当日の持ち物

必須の持ち物として

  • 受験票
  • 筆記具(鉛筆や消しゴム等)
  • マスク
  • 時計

を持っていきました。

加えて、勉強用の道具として持って行ったのが、

  • ユーキャンの過去問題集
  • 大原の観光地理問題集
  • iPad mini

です。

iPad miniは、先ほど紹介したGoogleマップ勉強法で位置付けていた観光地理・観光資源の情報を確認するためです。

こちらの記事でも紹介しておりますが、普段からiPadを勉強道具として使用しておりまして、試験当日も持参いたしました。

欲を言えば、テキスト類は全てiPad内に入れておいて、当日はiPadだけ持っていくというスタイルをとりたかったのですが、それをしませんでした。

それから、インプット用のテキストを持っていかなかったのは、試験直前にインプット用のテキストは情報量が多すぎると思ったからです。過去問で間違えやすいところや理解が甘いところは十分に最終確認できると考えたため、テキストは持っていきませんでした。

実際、試験会場まで向かう電車の中で確認していた「間違えやすい問題」の中からいくつか出題されましたので、得点に結びつけることができました。

本試験での解答順序と所要時間について

通年での過去問演習をしない状態で挑んだ本試験ですが、

  • 旅行業法と約款は時間が20分ほど余った
  • 旅行実務は5分ほどしか余らなかった

という結果になりました。

また、旅行業法と約款の方は先頭から順番に問題を解いていきましたが、旅行実務は変則的な順番で解きました。

具体的には、

  1. 国際航空運賃
  2. 英語
  3. 国内旅行実務(先頭から順番に)
  4. 海外の観光地理・資源
  5. 時差や空港コードなど
  6. CIQ法令

という順番です。

序盤に国際航空運賃と英語をもってきたのは、頭が疲れる前に面倒な問題を片付けてしまおうと思ったことと、時間のかかる問題を残して後々焦るよりは、開始直後に解いてしまうことで心理的な余裕を持とうという作戦でした。

事前の情報収集では、午後は時間が足りなくなるという情報を得ていたのですが、なんとか時間内に全ての問題をマークすることができました。

さいごに

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というわけで、総合旅行業務取扱管理者試験について雑感等を述べさせていただきました。

勉強方法について、とりわけ観光資源の勉強方法についてはもう少し掘り下げて紹介したかったのですが、今回は概要の紹介だけに留めました。

より掘り下げた勉強方法は、機会があれば、別稿で紹介しようかと思っております。

試験2日前までは「これ、合格するの無理じゃね?」と思っておりましたし、あまりの自分の出来の悪さに心が折れそうにもなりました。ですが、試験前日に漸く「なんとか闘えそうだ」と思えるくらいにまでになりました。

実際に試験を受けた結果、

希望が持てる状況です。

11月20日に、よい結果が確認できることを祈りつつ、次の資格試験の勉強に励みたいと思います。

それでは!