今日は日本の片隅で

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2020年度行政書士試験を受験してきましたので報告いたします

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2020年11月8日に実施された行政書士試験を受験してまいりました。

Twitterの #行政書士試験 はいつにもまして賑やかでした。御多分にもれず、自分もツイートしていたわけですが(笑)

さて、記憶が鮮明なうちに、本試験に関することを記録として残しておこうと思いまして、ブログを書くことにいたしました。

というわけで、本稿では、実際に受けてきた行政書士試験の感想などを紹介したいと思います。

行政書士試験受験前

行政書士試験は一年に一度の試験です。

試験の詳細は、行政書士試験研究センターのWebサイトをご覧頂ければ掲載されておりますのでリンクを貼っておきます。

出願手続

出願手続は、インターネット上で出願しました。

写真のデータを用意しなければならないのがちょっと難点ではありますが、全てをオンラインで手続できるのは受験する側からすれば大変ありがたいことです。

書面での出願も可能なので、書面の方がいいという方は書面で出願したら良いかと思います。

さて、会場は先着順で埋まっていくということでしたので、早々に出願手続を済ませました。

まさか、あんなことが起こるとは、この時は全く予想しておりませんでした。

受験会場の変更

そろそろ受験票が到着するかという10月下旬に、激震が走りました。

受験要綱に書かれていた受験会場が使用できなくなったとかで受験会場が変更になったのです。

当初、上智大学を希望していたのですが、見事に東京ビッグサイトへと変更になってしまいました。一番恐れていた会場です。

こういうイベントが開催されるような場所は人の数が多いですし、それに伴って騒音なども発生しますので、試験中は集中力を奪われる可能性が高まります。

以前、明治大学和泉キャンパスで別の試験を受けた際には街宣車が甲州街道を走っていて音がうるさかったり、パトカー等の緊急車両も通っていたので、その度にストレスに感じました。

受験会場は、アクセスという観点から選択される方が多いと思いますが、こうした試験中の環境も考慮するのは合否を分ける要素になると思っています。ですので、受験会場選びは重要ですよ!

(この問題は資格試験ならではだと思います。大学受験では否応なしにその大学での受験になりますからね。)

本試験

2020年11月8日。本試験当日を迎えました。

ここからは本試験当日にどのように過ごしたか、何を会場に持って行ったか、実際にどのように解いていったかを紹介いたします。

当日の過ごし方

まず、起床はいつもと同じようにしました。

そして午前10時まで肢別過去問集で、行政法の復習をしました。午前10時以降は、少し多めの食事をとりまして、身支度を調え出発の準備をし、午前11時頃に自宅を出発しました。

試験当日だからといって特別なことはせず、ルーティンをこなしてあくまでも自然体を心がけました。

試験会場に持っていったもの

実際に会場に持って行ったテキスト等は以下の通りです。

  • 肢別過去問集
  • ポケット六法
  • iPad mini

正直、肢別過去問集は不要だったかなと思います。というのも、道中も会場でも開かなかったからです。「これだけ勉強したんだから大丈夫」という、ただのお守りみたいなものですね。その他、テキスト(教科書)は持っていきませんでした。これも総合旅行業務取扱管理者試験の時と同じですね。

あとは、ポケット六法を持って行きました。会場に向かう電車の中では憲法の統治の条文を確認しました。あんな分厚いものをパラパラとめくって読んでいる姿は、一般の人からしてみればちょっと変わった人に見えるかもしれませんね。

それと、僕の試験の相棒、iPad miniです。

アガルートの短答ヤマ当てフェスで配布されたPDFをiPadに入れておいたのですが、試験前に再度判例を確認しておこうと思ってiPad miniに入れておきました。それから、PDFに掲載されていた問題を試験開始直前に解いて頭のウォーミングアップを行うために持っていきました。

実際、席についた後に、携帯電話等の電源を切る前に問題を解いてウォーミングアップを済ませました。

会場の様子

先ほども書きましたとおり、試験会場は東京ビッグサイトです。

受験申込をしたのが早かったためか、番号は若い番号で、僕の席は1階に割り振られておりました。

なお、比較的余裕をもって到着するように家を出ていったのですが、会場の入り口は整列入場になっていたため、まさに長蛇の行列でした。

これは総合旅行業務取扱管理者試験の際にも経験していたので予想はしておりましたが、総合旅行業務取扱管理者試験よりも遥かに長い行列でした。さすが受験者数が違いますね。

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会場内は冷え込むかなと思ったのですが、外が暖かかったため、防寒対策は特段不要だったかなと思いました。が、ブランケットを持ち込んでいらっしゃる女性の受験者もお見かけしたので、冷え性の人は防寒対策をしていった方がよいかと思います。

ちなみに、試験監督がアナウンスしていたのですが、どうやらこの会場だけで約5,000人の受験者がいたようです。出願者が約55,000人だったことからすると、出願者の10%近くの人がこの会場にいる計算になりますね。

解答の順番

実際に、僕が解いていった順番について紹介いたします。

解答の順番は十人十色だと思います。ですので、参考程度に読んで頂ければ思います。

僕の解答の順番は次の通りです。

  1. 問58〜60(一般知識文章理解)
  2. 問47〜57(一般知識)
  3. 問41〜43(多肢選択式)
  4. 問1〜40(法令択一)
  5. 問44〜46(記述式)

模試の時からそうだったのですが、僕は文章理解から解き始めます。理由は、時間をかければ確実に正解を導き出せる問題なので、開始直後の時間に余裕のある段階で確実に得点を取りにいくという狙いです。

その後、一般知識を頭から解き始め、足切りラインを確実にクリアしにかかります。

一般知識が終わったら、今度は多肢選択式です。これも理由は簡単で、確実に得点を取りに行くためです。

その後は先頭に戻って、法令択一を解き始めます。

3時20分までにここまで辿り着ければ、自分の中では予定通りです。実際、本試験ではここまでで3時15分でした。

残りの40分を使って記述式の問題を解いていきます。(あとの5分はマークミス防止のための最終チェックです。)

いつもは各問5〜10分で解答してしまうのですが、今回の問題は一筋縄では行かず…

結局、時間いっぱい使ってしまうことになってしまいました。

試験終了後は、ただただ疲労感だけが残りました。はっきり言って、手応えが全くなかったのです。

会場から帰る際も、周りの受験生たちが問題について話しているのが聞こえてきましたが、ただただ雑音にしか感じられませんでした。

試験中に感じた本試験の難易度

現場で解いている最中に感じた試験の難易度については以下の通りです。

一般知識

一般知識は比較的簡単な方だと感じました。

特にIT関連は、びっくりするほど基本的な問題だったと思います。まさか2020年にBCCとかSMTPとかHTTPが問われるとは…インターネットの黎明期にタイムスリップした気分になりました(笑)

また、文章理解も解きやすい問題だったと思います。解いている最中に、「基準点は余裕でクリアできるだろう」という思いました。

多肢選択式

多肢選択式ですが、出典元の判例の日付を確認したところ、憲法は昭和だったので、これは儲けものだと思いました。実際、三井美唄炭鉱労組事件からの出題でした。

行政法の方は平成31年という直近の判例からの出題もあったので構えてしまいましたが、しっかりと読めば決して難しくはない問題だったと思いました。問42も平成17年の判例からの出題で、行政手続法の条文知識が頭に入っていれば、難なく解けた問題だと思いました。

法令択一

法令の択一は問1から順番に解いていきました。

模試では民法→商法会社法→基礎法学→憲法→行政法という順番で解いていたのですが、試験前に見た動画で、「例年、民法は難問が出題されているため、民法でリズムを崩される受験生が多い」という講師の方のコメントを聞いていたので、民法は後回しにして頭から解くことにしたのです。

基礎法学

基礎法学はマイナーなところから出題されたなという印象でした。

憲法

憲法は結構難しいなという印象を受けながら解き進めました。

解いている最中、判例学習の甘さを痛感です。判例学習を丁寧に行なっていれば、もう少し点数を伸ばすことができたと思います。

行政法

自分にとって一番の鬼門である行政法ですが、最後の2択まで絞り込んだものの、最後に間違っている方を選んでしまいました。行政法は問題数も多く、集中力を維持するのが大変ですが、本試験では何とか耐えてペースを維持できました。

民法

民法は、改正箇所が多く問われるのかと思いきや、改正ど真ん中を問う問題は散見されなかったため、いつも通り解いていきました。

(まあ、改正箇所が問われていたとしてもいつも通り解いたわけですが…)

問29の根抵当権を見た瞬間は「ラッキー!」と思ったのですが、最後の2つまで絞り込み辛くも得点できたという感じです。

問30の選択債権も「ほう!これ出す?」といった感じでした。大昔の記憶をたぐり寄せ、なんとか正解できました。

問34の医療契約もなかなか目にすることのない問題ですが、過失論を問うていると判断し、現場思考で切り抜けました。

商法・会社法

商法・会社法ですが、会社法は割とオーソドックスな知識を問う問題もあったので、標準的な難易度なのかなと思いました。

記述式

そして迎えた記述ですが、問題を見た感じではそれほど難しいことは問うていないというのが最初の印象でした。しかし、よくよく読んでみると、なかなか悩ましい問題であることに気がつきました。

問44は被告を誰にするのか?そして訴訟類型は無効の確認でよいのか?

問45は第三者による詐欺なのか、あるいは錯誤取消なのか?悩みました。

問46は背信的悪意者の定義がぶっ飛び、文言が出てきませんでした。

自己採点の結果

2020年は法令択一が易化したというのが各スクールの見解でした。法令択一で180点を超えたという人も少なくないようです。

で、あんたはどうなんだ?

ここまでくると読者の方の関心は、僕の結果だと思いますので、自己採点の結果を掲載いたします。

はい。記述抜きで176点という結果でした。

基礎法学や憲法での失点が痛いです。また、行政法も最後の二択まで絞り込めた問題で選ばなかった肢が正解肢だったという問題が数問ありました。

あと1問取れていれば……

悔やんでも悔やみきれませんが、結果が全てです。

さて、記述の方はというと、問44は各スクールで見解が分かれています。被告を「A県」としているところもあれば、「組合」を被告としているところもあります。

問題を要素分解すると、①誰を被告として、②どのような行為を対象、③どのような訴訟と3つに分解できます。ですので、3つにそれぞれ部分点が振られているのではないかと現場では考えたのですが、先ほども書きました通り、法令が易化しているとなると合格者数調整のため、要素を2つにする、あるいは①が書けていなければ採点しない等の策が講じられる可能性があります。

ちなみに、僕はA県と組合で悩んだ結果、組合にしました。

さいごに

というわけで、2020年度の行政書士試験が終了いたしました。

結果は、記述次第ということになります。合格したあかつきには、僕の勉強法を紹介する記事でも書こうかと思っております。

これで2020年に受験を予定していた試験を全て終えたことになりますが、既に次のことも考えております。これについてはまた別の機会にでも紹介しようと思っております。

振り返ってみれば、受験を決意した5月の終わりから本試験まで、あっという間だったように思えます。行政書士試験を受験された全ての皆様、本当にお疲れ様でした。

それでは!